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知多地域障害者生活支援センター らいふ

厳しい社会状況の中でも

 昨年秋から比べるとややよくなってきているという印象はありますが、まだまだ倒産、離職、日数・時間短縮など厳しい状況は続いています。そんな中先週、一度に3名の方(今年度12名)の事業所への就職が決定しました(この原稿は9月半ばに書いています)。今回はその紹介を・・・1人目は7月、A町の医療法人から「障がいのある方たちを(雇用率のこともあり)雇用したい」と相談を受けて、事業所見学会を実施した中からの採用となりました。見学会はメールで圏域関係機関(現在62機関)に情報提供を行い、(6機関)9名の方が参加されました。地域や施設からは受け入れてくれる事業所がないと話は聞きますが、いざ呼びかけをしてみると言われるほど応募がないのが現状です(特に今回は事業所が少ない圏域の南部地域での募集だったにも関わらず、南部の機関や施設からの応募はありませんでした)。
 見学された本人は職場見学と説明を受け、通勤できるか、仕事ができるかを家族や支援者の方と考えていただいて、後日5名の方がハローワークを通じて応募されました。ワークでは今回のように事業所へ就職することも嬉しいのですが、こうした過程に本人が関わること、実際に見て、体験して、考え、アドバイスをもらうことも同じように大切だと考えています。最終的に応募されなかった4名の方の状況は違うと思いますが「(自分の考えていたのと)違うな」と辞退できること(環境、体験)も本人に必要な経験になると考えています。
 2人目のBさんは現在一人暮らしをされている方で、小さい頃家族から虐待を受け、たいへん心に傷を負った方でした。1年間施設でボランティアをすることで、自分のことをいろいろ見つめなおしました。最終的に手帳を取得、支援を受けることを選択して、今回実習を経ての採用となりました。私はあまりぴんときませんでしたが、医療関係の方や今まで本人を見守ってきた方からすると、この方の成長ぶりというのか、今の姿は当時の状態からは想像もできないくらい、奇跡的な状態であると聞いています。Bさんをずっと見守り続けた相談員や、施設でボランティアとして受け入れ、応援してくれた方たちの人垣の中で、またそれに応える以上の努力をした本人。まだまだ始まったばかりですが、本当に嬉しいスタートとなりました。
 3人目は学校卒業後、事業所の事業縮小と作業態度により退職して求職活動をしていたCさんです。職業センターでの能力評価に始まり、手帳取得、3か月の準備訓練等を利用して、職業センターの全面的な支援で今回の就職につながりました。発達障がいのある方で、今後も他の人と態度や言葉遣いなどで問題なくやっていけるかなと、心配な面はありますが、また失敗しないようにといろいろ教えてもらった事や、気付いたことをメモに残したりしているとのことでした。
 BさんもCさんも単に仕事を紹介されて決まったのではなく、自分で手帳をとったり、それにともなって支援を受けることを決めたり、職業準備訓練に一定期間、職業センターや施設の利用をしたりしています。
今回はたまたま3名の方が、一度に就職が決まったため取り上げさせていただきました。たいへん厳しい社会状勢の中でも、諦めずに努力されてみえた方の中に、結果が出ている方がいらっしゃるということを、みなさんに知っていただければと思います。 
(丹下)機関紙「知多の暮らしを結ぶ」75号 2009年10月発刊分より
by aikouen | 2009-12-16 15:15 | ■機関紙「知多の暮らしを結ぶ」
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